建設現場の計画から完成までの流れを例にとりますと、調査から始まり、設計およびそれに基づく施工を経て構築物が完成に至ります。当然のことながら設計・施工は単に施工時だけでなく、完成後の安定した構築物の建築を目的としています。

そして、多くの建設工事がなんらかのかたちで地盤と関連している場合が、多く見受けられます。例えば、ダム・空港・トンネル等の基盤整備の為の建設工事は、地盤の改変、叉は地盤と構造物の相互作用の基に達成されます。

このような流れの中で、特に地盤工学における現場計測は非常に重要な意味を持つといえます。不均質で多種多様な地盤の性質を把み、設計のモデル化および、施工計画を行うには、かなりの推定または仮定が入り込む要因を持っています。従ってこれらの想定が現実と異なった場合には予測と実際とが異なることになります。現場計測は、実際の挙動を把握する上で重要な手段であり、計測結果を解釈することにより、予測と実際のギャップを埋めていく有効な手段と思われます。

施工中においては、計測結果を早期に解釈し、設計・施工に反映する方法は情報化施工または現場計測工法とも呼ばれ、不確実性の多い工事に際し、既によく用いられております。また、施工中のみならず完成後の地盤および構築物の挙動や計測結果は、新しい設計・施工方法および開発の改良におおいに貢献しています。

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